ISSN: 2332-0915
クリスティン・ドラン
本稿では、1890年から1910年までの好況、不況、回復期に焦点を当て、19世紀後半から20世紀初頭のオーストラリアにおける女性の労働力参加と女性の賃金率の変化を検討する。世帯収入や労働市場の細分化の観点から傾向を説明するのではなく、観察された変化は労働市場における性別に基づく差別に基づいて説明できると論じる。この時期のビクトリア朝の製造業からの証拠は、差別仮説を支持する。この時期のブリスベンの製造業の統計も、差別仮説を支持する。経済が不況に陥り、全体的な所得水準が低下すると、人々は女性労働者に対する偏見の代償を払うことをあまり望まなくなった。女性に対する雇用差別と賃金差別の両方が一時的に緩和された。その結果、男性と比較して女性の雇用が増加し、男性の賃金と比較して女性の賃金が上昇するという状況が同時に生じた。