化学療法: オープンアクセス

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ISSN: 2167-7700

概要

転移性または切除不能進行性軟部肉腫に対するパゾパニブの治療効果と投与量

杉浦英史、西田佳宏、吉田正博、長谷川博明、山田賢司、山田佳久、安藤将司

抄録 目的:分子標的薬パゾパニブは血管内皮増殖因子受容体(VEGF-R)に作用し血管新生を阻害する選択的経口チロシンキナーゼ阻害剤である。本研究の目的は、転移性あるいは切除不能進行軟部肉腫の日本人患者に対するパゾパニブの治療効果、有害事象(AE)発現頻度および投与量を検討することである。方法:対象は、2012年11月から2014年8月の間に当院および関連病院において転移性あるいは切除不能進行軟部肉腫に対してパゾパニブが投与された、抗癌剤治療歴のある患者42名(男性16名、女性26名)であった。パゾパニブは25名に初回投与量800 mg/日、7名に600 mg/日、10名に400 mg/日で投与された。グレード2以上の有害事象発現により治療継続が困難と判断された場合には、パゾパニブを200mg減量した。結果:パゾパニブ治療後、6ヵ月および1年全累積生存率はそれぞれ74.7%および53.5%(生存期間中央値7.7ヵ月)であった。パゾパニブ投与後の無増悪生存率は6ヵ月時点で47.7%、1年時点で27.0%(生存期間中央値5.0ヵ月)であった。腫瘍縮小効果に関しては、42例中14例(33.3%)で軽度奏効以上が得られ、未分化多形肉腫(UPS)、悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)、血管肉腫、胞巣状軟部肉腫(ASPS)でも効果が明らかであった。パゾパニブによる有害事象は許容範囲内であったが、7%でグレード3~4の肝機能障害が発現した。初回投与量800 mg/日で治療を開始した25名の患者全員が、平均34.4日(中央値17日)後に有害事象が発生したため、投与を中止または減量した。結論:パゾパニブ投与後の全生存期間および無増悪生存期間の中央値は、それぞれ7.7か月と5.0か月であった。パゾパニブはUPS、MPNST、血管肉腫、ASPSにも有効であることが証明されたが、日本人では800 mg/日の投与量を継続することは困難であった。

免責事項: この要約は人工知能ツールを使用して翻訳されたものであり、まだレビューまたは検証されていません。
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