ISSN: 2155-9880
村瀬正典
背景: 双胎間輸血症候群 (TTTS) のレシピエント児は、出生後に重度の循環機能障害を呈することが多いが、早期心不全を評価できる適切な方法は確立されていない。目的: 早産 TTTS における循環機能障害の管理における組織ドップラー画像 (TDI) 心エコーの臨床的有用性を検討する。方法: 2004 年から 2007 年に入院した 172 人の極低出生体重 (VLBW) 乳児のうち、一絨毛膜二羊膜双胎のレシピエント児 5 名をレシピエント群 (n=5) と定義した。同研究期間の残りの VLBW 乳児から、在胎週数、出生体重、性別が一致する 3 ~ 5 名のコントロール乳児を選択した (コントロール群、n=20)。 TDIを含む一連の心エコー検査を出生から7日目まで実施し、僧帽弁および三尖弁の外側輪で最大収縮期速度(S)、早期拡張期速度(Ea)、後期拡張期速度(Aa)、および心筋パフォーマンス指数(MPI)を測定した。結果:僧帽弁S、Ea、Aaの縦方向の変化に有意差はなかった。出生後24時間以内にTDIで評価した受容群の左室MPI値は、対照群よりも有意に高いようであった。受容者の三尖弁SおよびEaの早期値は、対照群と比較して有意に減少した。24時間前の受容児の右室MPIも、対照児よりも有意に高かった。結論:これらの予備的な比較から、早産TTTSの受容児の早期循環障害はTDIによって正確に評価できる可能性があることが示唆された。