ISSN: 2329-9096
増谷憲光、岩見武宏、松永敏樹、斉藤公夫、土江宏之、高橋康宏、島田洋一
目的:本研究の目的は、最近開発された平面特異型の動的体幹安定性測定装置を用いて、思春期アスリートの体幹安定性を定量的に測定し、性差を検討することである。
方法:これは、12歳から15歳までの男女の思春期アスリート間の動的体幹安定性の差を確認するための横断的研究であった。15人の思春期アスリートコホートを性別ごとに2つのグループに分けた。我々が開発した動的体幹バランス評価装置では、座面を一定周期(0.2 Hz、0.4 Hz、0.6 Hz)で振動させ、振動中の座面の圧力を座面の下に設置した3つの小型力センサーで検出し、圧力中心(COP)を計算することができる。測定は1人の検査者によって30秒間行われ、各参加者は2回の練習後に3回測定された。座面が揺れている間、被験者の前方2mの目の高さに設置された直径約1cmのマークに視線を固定し、被験者に頭の位置を一定に保つように依頼した。時間経過に伴う座面上の重心の変動を測定し、COPの総軌跡長を評価項目とした。
結果:測定中に有害事象はなかった。男性のCOP総軌跡長は2365±176mm、女性は2674±293mmであった。男性と女性のグループ間には有意差があった。特に、思春期の女性アスリートは冠状面での動的体幹安定性が低かった。結論
:思春期の女性アスリートは、男性よりも冠状面での動的体幹安定性が低かった。最近開発されたデバイスは、動的コア安定性に対する予防プログラムの効果を評価するための有用なツールとなる可能性がある。