ISSN: 2469-9861
R ガレリア、S パシャ、G マカリア、V サバリーシュ
エレクトロスプレーイオン化(ESI)に対する分子の応答を理解するために、「分子エレクトロスプレーイオン化指数(MESII)」と呼ばれる新しいパラメータが定義されています。ESIタンデム四重極質量分析計で取得した選択反応モニタリング(SRM)データは、MESIIの計算に使用され、εSRMと表記されます:εSRM= - log(SRM強度/溶液中のイオンまたは分子のポピュレーション)。溶液中のイオンまたは分子のポピュレーションは、各化合物の分子量とアボガドロ定数を使用して推定されます。シンバスタチン酸(SVA)、ロバスタチン(LV)、およびシンバスタチン(SV)がモデル化合物として選択されています。SVA、LV、およびSVの単一プロトン化イオン([M+H]+)に対して、陽イオンモードでのSRM実験が実行されました。負イオンモードでは、SRM によって SVA のみが調査され、単一脱プロトン化イオン ([MH]-) が前駆イオンとして使用されます。したがって、正イオンモードでの推定 MESII 値は、ε+ SRM (SVA)=7.4288、ε+ SRM (LV)=7.4541、ε+ SRM (SV)=8.6833 であり、負イオンモードでは、ε- SRM (SVA)=7.2253 です。この新しく定義されたインデックスは、イオン化ポテンシャル (つまり、イオン化の度合い) に関する情報を提供するだけでなく、分析対象物の検出限界 (LOD) の指標にもなります。化合物に対して異なるタイプの機器から記録された SRM データを利用する場合、MESII 値に生じる可能性のある変動は、異なる機器構成/方法がその化合物のイオン化の度合いに与える影響を理解するのに役立ちます。分析対象物のイオン化の程度に対するマトリックス効果も、MESII 値の違いから理解できます。さらに、MESII を定量にも利用できる可能性があります。