ISSN: 2329-9096
ヴェレナ・フェナー、ヘンリック・ベーレント、マルクス・S・クスター
階段を昇る能力は、筋骨格系にとって非常に要求の厳しい作業であり、人工膝関節全置換術(TKA)後の歩行適応は、平地歩行よりも階段昇降時の方が顕著である可能性がある。本研究の目的は、階段昇降および平地歩行中の、良好に機能するTKAを装着した患者と健康な対照群の全身運動学および運動力学を比較することであった。本研究には、TKA後の患者18名(67.8 ± 8.1歳)と年齢をマッチさせた健康な対照群20名(66.1 ± 6.4歳)が参加した。階段昇降および平地歩行中の全身運動学および運動力学データが収集された。TKA後の患者は、階段昇降および平地歩行の両方で、対照群と比較して矢状面膝モーメントに差が見られた。患者の股関節は、両方の条件でより外旋していたが(p<0.001)、受動可動域には差がなかった(p=0.630)。体幹角度は、患者と対照群の間でわずかな偏差しか示さなかった。患者と対照群の差は、階段昇降時よりも平地歩行時に多く見られた。この研究では、TKA 後の患者と健康な高齢者を比較した場合、隣接する関節を考慮すると、体幹の追加分析よりも治療推奨のための追加情報が得られることがわかった。患者の階段昇降時の高い膝屈曲モーメントを軽減するために、ふくらはぎの筋肉を強化することを推奨する。階段昇降は、平地歩行のみと比較して、実際の治療推奨を導く追加情報を提供しないようだ。