酵素工学
オープンアクセス

概要

災害時に食物アレルギーを持つ患者を助けるパック調理

沖島直子

東日本大震災のような大災害によりライフラインが破壊され、避難後も多くの人が避難所生活を余儀なくされました。避難者はしばらく仮設住宅で過ごし、避難所を離れるまでの間、避難者用の配給食を摂取しなければなりません。しかし、食物アレルギーを持つ避難者は、アレルゲンフリー食品が支給されないため、配給食を食べることができません。報告書によると、東日本大震災後の避難生活中、食物アレルギーを持つ子どもの保護者はアレルゲンフリー食品の入手に苦労し、食物アレルギーを持つ子どもの約5％がアレルゲンを含む食品の誤食によりアレルギー症状を発症しました。2011年の東日本大震災後にアレルゲンフリーの配給食が開発されましたが、食物アレルゲンすべてに対応するには不十分です。東日本大震災後、日本ではパック調理に注目が集まっています。すなわち、耐熱性ポリエチレン袋に食材を詰め、袋をしっかりと縛り、カセットコンロで煮る。パック調理は水が少なくて済むため、袋を煮る水は繰り返し使え、調理した料理は皿を使わずにそのまま食べることができる。また、袋ごとにメニューの種類が異なるため、一鍋で数種類の料理を作るのに便利である。このようにパック調理のこれらの特徴は、食物アレルギーのある難民を助けるのに有用な技術である。さらに、柔らかい食べ物を必要とする乳幼児や高齢者を助けることもできる。